■この作品を作るきっかけ 今までの私の作品は「模型一体のビネットスタイル」が多く、「ドラマがあるジオラマ」はなかった。 それでいろいろ考えているうちに、「特撮ヒーローが敵をやっつけて決めている瞬間」とか、「冒険王ビート」とか「仮面ライダーSPIRITS」とかの漫画とか、“斬られた敵が後ろで背景となっている”という状況が多いことに気付いた。わかんないと思うけど、特に特捜戦隊デカレンジャーのデカマスターが元師弟関係にあったエイリアン剣士と戦う時の話でザコ兵士をぶったぎる映像が頭に焼きついた。よーし、これだと思い製作を開始。 |
■ソードカラミティの製作 ホビージャパンの記事を参考にして製作しています。 ○頭部はフェイス部を下から差し込む定番のアトハメ加工。角(ツノ)を尖らせました。 ○胸のパーツをくり抜いてモールド入りのプラ板をはめ込みました。写真ではわかりませんが結構大変でした。 ○両腕部のパンツァーアイゼンは展開状態と収納状態を再現、可動はしません。 ○対艦刀シュベルトゲベールの刃はアトハメ加工、自作の極細ノミを使用してミゾを作ってやりました。極細ノミは精密ドライバーを「油研石」で研磨して作ります、水研石よりシャープに極細ノミが作れます。 あとは、肉抜き穴をアルテコで埋めたり、モールドを彫りなおしたりしています。モールドの彫りなおしはデザインナイフ、けがき針、0.1〜0.15ミリ幅のエッチングソーを使っています。 ○基本塗装 赤はオレンジ+シャインレッドを基本にいろいろ混色。 黄はガンダムカラーイエロー1 ブラックはシタデルカラーケイオスブラックを筆塗り。 あとはガンダムカラーファントムグレーやグランプリホワイトなどを使っていますが「あ〜でもない、こ〜でもない」と混色しながらやっています。 ○ウエザリング さて、ウエザリングですが、ちょっと試行錯誤してしまいました。 いつもウォッシングはエナメル塗料でやっているんですが、新しい塗料を試そうと思い、シタデルカラーの「ブラックインク」というウォッシング専用のシタデルカラーでウォッシングしたところ、色が食いつかず、ラッカー塗装面ではじいてしまい、染みになってしまって泣きそうになりました。シタデルカラーは薄めすぎるとはじくようです。それとラッカー塗料の上から塗ると滲んで(にじんで)しまうようです。すでにポーズ固定していたところなので、ラッカー塗料で“強引に”筆でグラデーションをつけました。 失敗したにもかかわらず、なぜか、次も新しい塗料を試す・・・ つづいて、ハンブロールカラーのブラックを専用シンナーで溶いたものでウォッシング。マシーネンクリーガーの本にメチャメチャ感銘を受けていたので勢いでやってしまいました。ハンブロールは横山宏先生も推奨しているので安心と思ってしばらくして、ふき取ろうとしたら「ふき取れない・・・(汗)」 いろいろ調べてみると、ハンブロールカラーは完全乾燥後は完全に固着してふき取れないらしい・・・(滝汗)。 さらに泣きそうになりながらも、すでにポーズを固定し、基本色から塗りなおすわけにはいかないので、定番のドライブラシやパステルウエザリングでなんとか見れるようにしました。 デカールは、ゾイドデカールとサテライトのコーションデカール、そして切り込み隊長からいただいたバラのデカールを貼ってできあがり。やっぱりオリジナルデカールはいいぜぇ。切り込み隊長のお友達がつくったものということですが、ありがとうございました。 |
■HGジンの製作 共通工作として、脚部のバーニア、肩パーツなどを塗装しやすいようにアトハメ加工。スジ彫りの彫りこみもコツコツやりました。 頭部は、削り込みなどでヘルメットに「ついてる」ではなく「はまってる」ようにしてみましたがどうでしょうか? メインの工作はノコギリでぶった斬って、スキマにポリパテ(モリモリ)を詰めてモールドをつくっています。この切断作業はドキドキしました、「あとには引けねぇ・・・」と。 モノアイにはHアイズをはめ込みました。 手はハイディティールマニュピュレーターを使用。 144トールギスからシールドを流用、そのまんますぎたので、少し加工すればよかったと反省してます。 塗装はガンダムカラーHGジン用を基本に青系にふってみました。ソードカラミティはベタ塗りなのにジンはグラデーションを付けています、う〜む、ソードカラミティはマスキングがたくさん必要でグラデーションしにくかったんですよ、変かな〜・・・。 ジンは慣れたエナメル塗料でウォッシング、ドライブラシしました、ジンのほうが塗装はやりやすかったです。 デカールはゾイドデカールとサテライトのコーションデカールを適当にベタベタと。 最後に乾いたパステルでササッと味付けしていたら、デカールが指紋が浮き出るようにエッジが浮かび上がってしまいました、う〜む、残念、失敗から学びます。 |
■ベースの製作 ベースはいつものように木枠から自作、木枠は木工ボンドで固定していますが、乾燥するまでベルトレンチというもので固定するといいです。スキマは木工用パテで埋めてペーパーがけするのですが、プラ板工作に似ています。 発泡スチロールで積層をつくり、それを手でむしって地形を作りました。発泡スチロールの接着は木工ボンドで大丈夫です。 その上にドフィックス・マルチパテで「固い地面」を作りました。地面が乾燥する前に歯ブラシでトントン叩くと地面がいい具合に凸凹になります。これは次女(2歳)と一緒にやりました。「うわ〜、固まっちゃうから早くやって〜、うわ〜服に付けるな〜、うわ〜床に〜」と僕が慌てる姿を見て喜ぶ次女、結構楽しいもんです。ガンプラ作りに赤ちゃんが登場するなんて、こういうジオラマならですかね〜。 地面の基本色は、茶系のアクリル塗料を筆で塗っておきました。 地面の素材にドフィックスを使ったのは、ジンを少ない軸で固定するためです。不安定なポーズなので2ミリのアルミ線でがっちり固定しています。 地面には、乾燥したハーブの葉をくずしたものを撒いたあとに、石膏像を作る時に裏に補強剤として使う繊維(スタッフ)を細かく切ったものを木工ボンドで植えました。草の塗装はイエロー+グリーンのラッカー塗料でやりました。 パステルのドライブラシなどして全体の色調を整えています。 樹木はいつも電車から見る景色を参考にしてみました。いろんな木の色が混ざってるんですよね、当たり前ですが。いつもの鉄道模型用の樹木に加え、ドライフラワーにフォーリッジクラスターをジューサーミキサーで砕いたものをスプレーのりで付けています。スプレーのりはいろんな種類があるんですが、「3M スプレーのり77」が使い易いです。「55」「88」「99」といろいろあるんですが、「77」をオススメします。 |
漫画的な表現を狙ったので、どこから見てもかっこいいというより、1〜2枚目の写真がやりたかった構図なのです。 今回は反省点の非常に多い作品となりましたが、次回につながることがたくさん見つかりました。 ■おまけ ⇒製作途中の画像 ■後日談 ⇒電撃ガンプラ王決定戦2005東京大会に参加して |