E.F.S.F MASS PRODUCTIVE MOBILE SUIT
MS-06F-2  ZAKUUF2

(トップ小隊 アス機)

製作・文 :RUN
使用キット :1/100 MG F2ザク 連邦仕様
第11回イエサブ千葉店ホビーコンテスト ガンプラ大型部門銀賞
2005年 千葉軍団企画 F2ザクコンペ作品

■これをつくることになったきっかけ
 千葉軍団では毎回ではないが、イエサブコンにみんなで「お題」を決めて出品している。「HGUCザクU大会」「ガンダムSEED大会」など、今まで私はみんなの負担にならないように、144のキットを提案していた。
 しかし、今回のお題は百鬼夜行(2005年1月)の打ち上げでみんな興奮している状態の中で決まった。議論の中で「MG F2ならやる」「RUNさんジオラマ禁止、ポーズは仁王立ちね、それならやる」などという会話になった。俺も売り言葉に買い言葉で、「おう、わかったよ、じゃ、素立ち勝負だぞ」ということになった。俺は派手なポーズ、ジオラマというのが“売り”でなんでこれを封印せなあかんのか、疑問を感じつつ渋々挑戦を受ける事にした。

■なぜにアス機
 最初はヴァイエイト・メリクリウスみたいな攻防のオリジナルザク、など百鬼夜行の興奮をひきづったザクを作ろうと思っていた。でも、なかなか決まらなくって、カプリチョ、JGも決まってなかったので、トップ小隊の機体を3人で分担して作ろうということになった。
 私の担当はアス機、この機体のポイントは・・・
○シールドの連邦十字はない、持ち手の形状も違う。
○武器はヒートホークのみ。
○右肩と左足のメカ部が露出している。
○バーニアはカバーで被(おお)われている。
○派手なダメージ痕がある。
 ということになる。
 体のラインを変えてMGザクUっぽくするのは無駄だしF2を使う意味がなので、特徴のみアス機に近づける方向にしました。似顔絵みたいなもんですかね。

■おまけ
 ⇒製作途中画像・追加記事

■製作ポイント
○頭部
 ヘルメット状にアトハメ加工し、上からかぶせれられるようにしました。
 モノアイはビーズなどを扱っているMIYUKI社のプラスチックストーン(5ミリ)を使用。プラスチックストーンはクリアーパーツの裏にメッキシールが貼ってあるパーツで1/100ジオン系モビルスーツにピッタリです。ピンクやミドリなど色も選べますが透明もあります。プロモデラーの上原みゆきさんが使っているのを見てやってみました。
 クチバシは、0.3ミリプラ板を10枚積層したものです。このキットをかっこ悪くしているのは、おちょぼ口のこの部分なので、ポイントだと思います。
 キットに付属しているアップリケアーマーを頭部に貼り付けました。頭部の印象は重要なので目立つ工作として貼ってみました。

○胴体
 胸部にやはりアップリケアーマー2箇所。
 動力パイプを通す穴を広げて、塗装後に組んだ時に色がはげないようにしておきました。

○脚部
 後部のバーニアを削り取り、エポパテ(ミリプット)で作ったバーニアカバーを付けました。それと設定画をよくみながらハッチなどのディテールをアルテコSSP−HGで消してみました。
 ヒザのメカ部露出は、1/144HGサンドロックカスタムの腰アーマーを加工してはめ込んでみました。

○腕部
 右肩をMGゲルググの内部パーツから流用。
 そのまんまですが、軸の径もピッタリでいい感じです。

○シールド
 千葉軍団のJGから「シールドはジム改の使えば楽じゃん」と言われましたが、パーツ形状が違うのでMGジムのシールドから。黄色い十字パーツを赤いパーツに接着してから削りとりました。エバーグリーンのプラ板でモールドっぽく残してみました。

■表面処理及びダメージ痕
 まず、リューターとハンダゴテでダメージ痕を加えます。
 小さなボコボコはリューター、キットの上で転がすように傷つけてみました。
 大きなダメージはハンダゴテ、今回は「やりすぎるぐらいが丁度いい」という方針でしたので、かなり痛めつけてみました。
 さらに、100番くらいの荒めのペーパーや金属やすりで「こすれた」感じを作りました。巨大ロボットでゲリラ戦はいろんなところとぶつかっていると思ったのです。
 表面処理は、サーフェイサー500番を遠めから吹いた後、指でタミヤパテをこすり付けてテクスチュアを作っています。かなり荒く擦り付けています。俺の中でゲリラのザクってこういうイメージなんです。

■塗装
(1)ラッカー塗料による塗装
○本体A(胴体など):マホガニー>ウッドブラウン+サンディブラウンで立ち上げ
○本体B(手足など):マホガニー>ダークイエロー+タン+313番イエローFS33531で立ち上げ。ここでなんか「物足りなくなって」ガンダムカラーグリーン3で迷彩。
○グレー部:ブラック>ガンダムカラーファントムグレー
○間接の露出部>メタルカラーアイアン>シルバー、焼鉄色、クリアーオレンジなどで味付け。

(2)フラットブラック+フラットブラウンでウォッシング、きつめに色を残します。表面が凸凹だったので色が劇的に変化しますが、ドライブラシへの布石です。

(3)「ここまでの塗装はドライブラシの下地」くらいな感覚で激しくドライブラシ。
 デザートイエロー、バフ、ホワイトを混合比を変えつつドライブラシ、ドライブラシの途中につや消しトップコートをかませていますが、エナメルの輝きみたいなものは残してみました。エナメル塗料の輝きがいいのです。

■デカール
 デカールはバーリンデンのドライデカールと、MGザクU用のドライデカールです。ドライデカールじゃないとドライブラシの時に枠(ワク)が浮いちゃうので。ドライブラシの途中で挟み込んでいます。

■製作後記
 F2ザクの作例はきれいな作品が多くて、プロの作例にもこういう作風のものはないだろう。だけど、俺の中ではザクはこういうイメージで、自分ではこのザクはすごくかっこいいと思っている。こういう作品をいいと思ってくれる人がどれだけいるかわからないけれど、楽しく作れたし、一つの作り方を提案できたのではないかと思います。
 丁度、この作品をイエサブ千葉コンに展示中、五味慶さんというモデラーが「うわっ、かっこいい!こういう作品が作りたかった、うわっ、すげー」と言ってくれました。
 五味慶さんもAFVチックな作品づくりをしている方で、1人でも2人でもそういっていただける方がいてくれればうれしいです。
 ずっと「F2ザク、つくりて〜」と言ってたので、完成してよかったです。
 [RUN] (2005.08.27 UP)

■第11回イエサブコンで、切り込み隊長のイーフリート改、平徹夫さんのPGストライクとともに同数の票が入り、入賞(2位)を受賞できました。自分があたためてきて、やりたかったことをやった結果、よい結果が出てうれしいです。ありがとうございました。
 こうやって、模型サイトを運営していると、なかなか自分の力の程度がはかりにくいのですが、こうやって結果を残せればありがたいです。
 [RUN] (2005/09/03)

○F2アス機見ましたっ!
 かぁ〜っ!『コレぞオトコの機体!』ってカンジで、もぉ〜たまらんデスヨ!(゚▽゚)b""
 [BAD−U3] (2005/08/28)

○ダメージ表現がとても新鮮で『俺のザクはまだ動くぞ!』みたいな感じが伝わってきました。[shin-shin] (2005/09/14)