試作型グーン地中機動タイプ

製作・文 :RUN
使用キット :コレクションシリーズ モビルグーン  Scale 1:144
 作品名:「試作型グーン地中機動タイプ」
「ゴールデンウィーク特別企画 SEEDコンペ!」(1位作品)

【自宅にてネタを考えることから】
 前日にイエローサブマリン千葉店の展示品の多くを手がけている白石さんが参加することになり、メンバー的にも充実してきたので俄然やる気がでてきた私でしたがネタがひらめきません。
 今回も1日(8時間)で「組立→整形→塗装」を行うこの大会。いいだしっぺの私はネタに迷いました。いろいろとアイディアはあるのですが、事前準備の時間がないし、当日はビルの中ということであんまり汚してしまうような作業はできません。持ち込む荷物は少なめ、作業工程も少なめ、ちょっと早めに完成するぐらいで丁度いい・・・でも、ちょっと工夫した作品を作りたい・・・犬の散歩をしながら日々考えました。

 結局前日の夜に考えたのは、ザフト軍のデインにコトブキヤのウェポンユニットでも持たせて、全く無加工で塗装をすご〜くがんばるという考えでした。ベースも小さめで最低限の準備しかしていませんでした。深夜1時まで荷物の詰め込みをしていました。

【当日の朝、地中用グーンネタに決定】
 そして当日の朝、5時起床。荷物の最終確認と犬の散歩、そして最後にいいアイディアが閃かないか・・・と期待。ギリギリ出発の8時まで3時間!
 散歩前に私の発泡スチロールコレクションの中から使えそうなものをあさります。高低差をつけてみてはどうか?何かいい形の発泡スチロールはないか?そこで閃いたのがグーンが土の中からモコモコ出てくるというアイディアです。地中用グーンはもともとやりたかったのですが、別の手数が多いネタでしたが、今回は丁度いい形のデコパージュと発泡スチロールが当日朝見つかったのです。グーンを配置したところいい感じに!「よし、これならおもしれぇ!」と犬の散歩をしながらアイディアを膨らませます。幸い持ち込む道具に変更はほとんどありません。

 集合時間1時間ほど前に千葉駅に到着し、喫茶店でプランを煮詰めます。まわりは皆ビジネスマンやデパートガールっぽい人たち。私はカウンターでホビージャパンを片手に作成手順と塗装プランを練ります。塗装プランは横山宏さんのような絵画的なタッチにすることに決定。荒々しく行こうと決定。

【10時、イエサブ千葉にメンバー集合】
 集合時間になりました。しかし、マッシュ氏しか来てません。「はってでも行く!」というG.P.M切り込み隊長の言葉を信じて待ちます。少しするとG.P.Mのメンバーが予定より多い人数で登場。まずはメンバーが集まりホッと一安心。
 今回は千葉軍団主催とういう告知なのですが、ら教くんが遅刻、千葉軍団は病み上がりのマッシュ氏しかいないため、G.P.Mのみなさんに机の運搬等手伝ってもらいました。10時30分の開始時間までドンドン会場準備をします。あわただしいです。

【10時30分作業開始】
 私は普段は製作工程を自分で写真に撮ったりしないのですが、今回はG.P.Mだんちょーが撮影してくれたので、豊富な写真とともに解説させていただきます。

 ベースには木工用二スを塗ってマスキングしておきます。これは自宅でやってきました。直前に喫茶店で書き留めた製作手順用のメモ書きがなくなって焦るが頭の中に入っているのでまずは手を動かす事に。

 グーンのポーズを変更します。私が普段使っている主な道具が都合よく並んでいます。
 左からニコルソンの万能やすり(目詰まりせずガシガシ削れる)、ウェーブの紙やすり用プラキットと400番のペーパー、2ミリピンバイス(補強用のアルミ線を通したりする)、3Mの荒めスポンジやすり(曲面が主体の模型の場合にガシガシ削れる)、金子辰也氏も愛用のデザインナイフ、模型用小型ノコギリ(東急ハンズで購入、切れ味や使いやすさがよい)。
 手にしているのは、アルテコ社のゼリー状瞬間接着剤です。これを盛ってから瞬間硬化スプレーを吹くと凸凹な面どおしでも強着できるというすぐれもの。。

 少しずつキットのポーズ変更とベースの加工を同時に進めます。常に意識していたのは「全体の印象」です。細かいところの塗りこみや作りこみより、全体として印象が明確にかっこよくなるようにしていきます。

 グーンの手の先に旧キットのハイゴッグの肩パーツを取り付けてシルエットを変更。キットの間接はすべて切り落としてアルミ線でパーツをつなぎました。これはガンダムSEEDコレクションシリーズのキットのモールドとデザインが良好であることを考えて、ガレージキットのような感覚でパーツどおしをつないでポーズ変えたらカッコいいんじゃないかといいう発想から来ています。スタートから1時間半でここまで進みました。
 左右のシャベル状の手のモールドの違いがありますが、「どうせ試作MSなんだから多少左右の手が違ってもいいだろう、時間もないし細かいところ気にするのやめよう」と思い、モールドを削るのをやめました。今ちょっと後悔。
 イメージ通りの形になったので、あとは塗装とディオラマのデコレーションです。

 リキテックスのカラージェッソのバーントアンバーを下地塗装とし、その上に赤玉土を砕いたものを茶漉しでふりかけました。ジェッソを接着剤がわりに一気に作業を進めます。ゴツゴツした質感をいれたかったので砕いたコルク片を赤玉土に混ぜ込み、大きなコルク片も配置します。いい感じになってきました。カラージェッソの乾燥時間を考慮して早めにこの作業をしました。
 カラージェッソには定着を強めるため薄めた木工ボンドも混ぜ込んでいます。

 タミヤのチューブ入りパテをラッカーシンナーで溶いたものにラッカーのつや消しブラックを混ぜて叩くようにして全体を塗装します。ベトベトになるのでちゃんとアルミ線で持ち手を作っておきます。ここは見えないのであとでチョキンと切り落とします。

 樹木も現場で作成します。今回は3本作ります。市販の針葉樹キットを使用、枝ぶりは手で曲げたりニッパーで切断します。ら教くんとかにも意見を聞きながらおしゃべりしながら作業しています。

 溶きパテが乾かないと先に進めない状態になったため、マッシュ氏からドライヤーを借りて強制乾燥させました。

 シタデルカラーというフュギュア用の塗料を使用してみました。ブラック、ホワイト、ブルー、レッドなどをパレットの上で混ぜてドンドン塗装していきます。背中の背びれ状のパーツはゾイドブロックスから流用。ケイオスブラックという塗料が当日まで入手できず、当日現場で調達できました。
 この後、全体を水で薄めたシタデルカラーでウォッシングし調整、さらにエナメル塗料のフラットブラックとフラットブラウンをシンナーで溶いて全体をウォッシング、叩くようにティッシュペーパーで拭き取ります。

 私は右側が誰もいなかったので荷物を広げることができたので作業効率はよかったです。ちょっとゴチャゴチャしてますが、作業しやすかったです。

 全体のバランスを見ながら、配置及び塗装をしていきます。「空間を切り取る」のがベースの考え方ですから切り取られた部分を先ほどのケイオスブラックで塗装しました。隠ぺい力が強いので発泡スチロールも塗装できる塗料です。

 だいたいスタートから4時間半をすぎた午後3時頃の様子。となりのら教くんから「うわ〜もうほとんどできてるじゃん!」と言われました。実際ほとんどイメージどおりの完成状態に近づいています。ここからウェザリングを1時間近くじっくりやります。

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