STEEPLE-CHASER

製作・文 :RUN
使用キット :1/35 U.C.ハードグラフ 地球連邦軍 陸戦MS小隊ブリーフィングセット
第1回モデラーズサミット出品予定(平成21年10月)
 4月頃。

 最初は、こんな感じでレイアウトを検討。ジオラマの場合は配置でかなりの部分が決まる。
 このレイアウトでは兵士があまり配置しにくい。モビルスーツの腕と兵士の感じはいいのですが、できるだけフュギュアを多く絡めたい。ただ腕とフュギュアが並んだ時の雰囲気はいいような気がしました。
 さらにレイアウトを練るために、フュギュアを形にすることにします。
 モデラーズサミットという大会場で埋もれないように「これまでの最大サイズのジオラマにしてみよう」と思いました。

 レイアウトは何度もやり直します。「この人はどこからどこに向かってる?」とか「この人は何してる?」とか考え始めます。
 接写も使って、「写真の見栄え」もチェック。大きなジオラマの場合、空間の広がり感がいいですね。兵士の距離感も出るのがいい。
 しかし、製作期間が半年ということを考えます。ジャングルをライケンなどでザックリ作るのであれば可能ですが、今回は、密度が高い作品にしたかったので・・・
 ベースを切り詰めます。ギリギリまでベースを切り詰めて、密度を上げることにします。

 この段階では、主役は「モビルスーツの腕」でした。中央に置いて主張させています。しかし、ここから少しずつ、兵士が主役に変化していき、最後には「MSの腕は背景」に変わっていきます。これは不思議な感覚でした。
 指揮官を守る機関銃手。まだフュギュアは真鍮線などで仮止めしている状態。
 モデラーズサミットにフュギュアで参加することに抵抗はあったのですが、百鬼夜行終焉でもまさやんinひねじさんがすてきな作品を出品されているので、「こんな機会だから」ということで攻め込むことにします。
 ※まさやんinひねじさんの作品
 塗装前の状態。フュギュアはポーズの修正や、モールドの彫り込みをしています。モールドの彫り込みには
 ・超音波カッター ・ヒートペン ・BMCタガネ
 ・デザインナイフ ・リューター
 などを使っています。モールドを彫り込むことで、塗装での陰影表現をカバーできるからです。
 フィギュアを固定しているのは、レジンブロック。

 ヘルメット以外の装備品は接着して塗装。
 ベースはスタイロフォームでだいたいの地形を作ってから、シーナリーブラスターに黄土色を混ぜて塗布したもの。

 コルクブロックは鉄道模型用のジオラマ用品。
 フュギュアの塗装手順は、
(1)サーフェイサーを噴き、表面チェック。
(2)全体をタミヤアクリルのハルレッドでエアブラシ塗装。
(3)顔、腕をハンブロールのマットフレッシュでエアブラシ塗装
(4)ハンブロールカラーなどで筆塗り。服はクレオスの黄土色がベースです。
 ドキドキしながら顔の塗装。瞳をがんばって書き込んでいます。白目と黒目を塗装してから、肌の色で目をトリミングする方法をとっています。
 フュギュアは、モールドの彫り込みや、細部塗装まで含めると時間をかけています。塗れば塗っただけよくなっていくことがわかるので楽しかったです。服のイエローのラインや袖などの赤、ベルト、細部にわたって塗りこんでいきます。
 このトランシーバーもそうなんですが、機関銃など先端の細いパーツは折れやすいので注意が必要です。ちょっと曲がってますね。あとで修正。
 ベースの手順
(1)木で枠を組み、ニスを塗装。マスキング。
(2)スタイロフォームを削って、起伏をつける
(3)シーナリーブラスターに絵の具(黄土色)をまぜて塗る。
(4)下草(焼きソバのふりかけなど)を撒き、マットメディウムを薄めたものをスポイトでたらして固定。
 モビルスーツの腕
(1)各パーツの整形後、サーフェイサーを塗布
(2)エアブラシで、@マホガニー→Aブラック
  →BMr.カラースーパーメタリックスーパーチタン
(3)Mr.シリコーンバリアーを筆で塗布、さらにマスキングゾルをエッジを中心にスポンジで塗布
(4)機体色を塗装後、デザインナイフ丸刃で塗装を本当にはがしていく。
(5)細部塗装、ウエザリングを行い完成。
 兵士の仮配置。「対MS重誘導弾」を持つ予定の兵士2名を主役にします。
 作品テーマを「障害物競走」としました。様々な障害物を障害物競争にちなんで配置していくことにします。戦場で障害物競走とは不謹慎かもしれませんが、作品タイトルのテーマやタイトルも非常に重要だと思うのです。
 この機関銃手は、周りを警戒しているように見えるので、センターで移動する兵士たちをサポートする役目にします。周囲にジオン兵も潜んでいるので、ジオン兵から仲間を守るのです。
 コツコツ草木を配置していきます。
 植物の多くは、和巧の「紙創り」のジャングルパックという製品を使っています。レーザー加工により葉脈まで再現されている商品です。一枚一枚クセをつけていくのは時間のかかる作業でしたが、密度があがっていく様子が楽しかった。潅木は、軽量紙粘土を乾燥させてひきちぎって、エナメル塗料を染み込ませています。
妻や娘に意見を求めたところ・・・
・電車?(妻)
・木が倒れているのに木がない(妻)
・花が少ない、虫をつける(娘)
・泥がはねたところが必要(娘)
・人が向いている方向を考える(娘)
・壊れた部品、、、、などなど(娘)
といろいろ御意見をいただき、追加・修正を加えることに
 細かい部品は、めがね用の精密ネジやジャンクパーツで。
 陸戦型ガンダムの腕が電車っぽく見えるのは、地面をえぐって角度を付けることに。
 花、ちょうちょ、イモ虫などを追加。
 人のセッティング位置は真鍮線を置いて慎重に検討。
 陸戦型ガンダムの腕に角度を付けたことにより、画面に動きがでてきました。一度地面を作ってしまうと、やるのに思い切りが必要なんですが、えぐる時間は5分もかかりません。イキオイ大事。ジオラマはこうしてよくなっていくのが面白い。
 兵士をセッティング。配置の微修正を何度も繰り返します。
 兵士には、プラストライプで銃や双眼鏡のベルトを作っています。
 山田卓司さんのジオラマと同じ「ジャングル」というテーマなので、参考にさせていただいています。ジオラマの場合、マネしても同じ作品にはなりません、必ずその人の味が出るのではないかと思っています。
 葉の光沢をださせるために、ハンブロールのサテンコートをエアブラシしています。

 このあと、いろいろとデコレートして完成させました。
 仕上げに時間をかけました。
 [RUN] (2009.10.28 UP)