PRINCIPALITY OF ZEON MASS PRODUCTION TYPE AMPHIBIOUS MOBILE SUIT MSM-07 Z'GOK
DANGEROUS SPLASH

製作・文 :RUN
使用キット :1/144 HGUC ズゴック ×2
2007年9月16日 百鬼夜行-終焉- 会場投票第15位
 最初は、食玩「ガンダムロウバストシルエットコレクション」のズゴックジオラマと全く同じ情景をHGUCでやろうと思いました。
 水陸両用モビルスーツ、ズゴックがガントリークレーンを容易にへし折り、連邦軍基地を正面突破するというシーン。パクリだパクリ。
 ミニチュア完成品があるんだから、それを採寸して拡大すれば作品になるかな〜、なんて。
 で、適当にガントリークレーンを作って配置してみた。
 コンテナはダイヤブロックを仮置き。

 ガントリークレーンを作るのが大変そうな気がしてきた。コンテナはプラ板箱組でなんとかなりそう。僕はダイヤブロックをジオラマの仮組の時によく使います。
 海面から陸地面の高さは3p。実際に漁港に見に行って3〜4mと確認したのだが、どうもズゴックが沈んで見える。
 金子先生によれば、「潮が干潮か満潮か確認しましたか?」ということでした。う〜ん、そうかー自然の特徴を把握してなかった。
 結局このあと、1p分水面から陸地までの高さを詰めています。のこぎりを横にいれてザクザク切断。
 このジオラマの場合は、メインショットはこんな感じかな?壊れたガントリークレーンの隙間から見えるズゴックというところか。

 人物は配置しにくい構図です。人物を配置するとガントリークレーンとのバランスがとりにくい。ロウバストシルエットコレクションは、サイズにディフォルメがあってフュギュアが配置できない・・・
 とりあえずコンテナをプラ板箱組で作ってみた。“プラ板箱組強化期間”なので(笑)。
 ガントリークレーン無しだと情報量に乏しい。ズゴックも2体とも似たようなポーズでは2体にする意味が弱い。
 ザクワーカーがあるんだから、“ズゴックワーカー”があってもいいだろう、と思い、こんな風にしてみた。「俺って冴えてるかも?」と思ったのだが・・・

 この状態で金子先生に見てもらった。金子先生は「実際に戦車が作業用に改修されて使われることはあるけれど、戦闘用のズゴックが作業に使われるのは理解されにくいのでは?」ということでした。
 金子先生から、「ズゴックが水中から飛び出してくるのはどうかな?」と言われました。
 心の中で「金子先生はザクワーカー知らないからなー・・・でも、先生のアドバイスをきかないのなら、金子先生にアドバイス聞く意味ないし・・・、先生のいうとおりにしてみよう!」と方向転換。
 というわけで、水中からズゴックが飛び出て見えるようにポーズを考えます。不安定な姿勢で、どうやって固定するかも考え物です。
 人物を配置したほうがいいかな?と思い、Nゲージ(1/150スケール)のフュギュアを配置してみたところ、「いいじゃん!」と自画自賛(笑)。
 そして透明プラ板をハンダゴテで熱加工してみたら水しぶきに見えることに気づき、「いけるじゃん!」と思い、燃えてきた俺。
 透明プラ板で水しぶき作ったら結構高い水しぶき作れるじゃん、とひらめく。

 水しぶきの高さがあるジオラマはたいていの場合、粘土を細長くちぎって高さを作るので、白く塗られた水柱のような水柱が多いが、この方法だったら、面白いビジュアルがみれるかも。
 海面も作り始めます。パジコのアーチスタフォルモ(石粉粘土)を薄くのばして地道にスタンピング。先が丸くなってるものならなんでもいいかと思いますが、私はスパチュラを使いました。
 ズゴックが飛び出すところの造形は、大波を粘土で造形する予定なので、この段階では作りこんでいません。
 金子先生にこの状態で見てもらいました。
 透明プラ板で水柱を作るアイディアは金子先生も見たことないアイディアなので「アイディア賞だね」と言われました。
 金子先生から、いろいろアドバイスをいただき、作業を進めることにしました。
 ズゴックの間接の隙間にエポキシパテを詰め込み、爪楊枝でモールディングしていきます。HGUCズゴックは間接の形状からして、このようにしないと間接がきちんとロック(固定)しません。
 ズゴックが飛び出してくる場所の波も作ります。今考えるともう少し粘土の段階で、水しぶきを大きく造形してもよかったかもしれません。
 ズゴックはポーズ固定ですので、こんな感じになっています。全部固めているので塗りわけが大変そうなのですが、筆塗りで行きます。
 車はコカコーラ社のペットボトルの上におまけでついていたものをばらしてリペイント。車両の中にはフュギュアを乗せています。フュギュアはほとんど見えないようになってしまったことが残念。
 配置してみます。完成状態とストラクチュアの配置が異なりますが、いろいろ試行錯誤を繰り返しながら完成にいたります。大きな配置の変更はありません。
 海面の塗装を開始します。リキテックスのアクリル塗料(フタロシニアンブルーなど)で塗装。
 テクスチュアジェルで白波を作成。グラスビーズ、レジンサンド、チタニウムホワイト、パールホワイトなどを使用し、波の泡を作ります。
 車止めは、デカールでトラ模様を描くことにしました。イラストレータでトラ模様を作って印刷。
 ノギスでサイズを測って、カットして貼ることにします。
 ・・・?なんか透けてるな・・・
 一度ホワイトを印刷してから、その上に印刷しなかったから透けちゃったんだ!もう模型も全部接着しちゃったから、修正するとなると大変だな・・・
 ・・・とも思ったが、理想の完成像に近づけるために、トラ模様を再びMDプリンタで印刷。
(左)作り直したもの。ホワイトを印刷してから、単色イエローを重ね、さらに、その上に単色ブラックを重ねる。きれいに色がでています。
(右)トラ模様をデザインしたあと、何の指定もせず、普通に印刷。色が沈んでいます。

 左のやり直したデカールを重ねて貼りました。
 タイトルもMDプリンタで印刷。
 当初、「デンジャー・スプラッシュ」というタイトルにしようと思っていたのですが、英語の意味を考えて「デンジャラス・スプラッシュ(危険な水しぶき)」にしました。。
 グロスポリマーメディウムで表面をコート。ズゴックと海面を接合した際にできたスキマにこのグロスポリマーメディウムを流し込みました。
 うしろ姿のビジュアルがなかなか面白い。
 やや水しぶきが直線的すぎるのが、ちょっと・・・。そういえば、金子辰也先生も、「プラ板曲げられない?」と言っていました。もうちょっと自然に熱で曲がる予定だったのですが。
 [RUN] (2007.09.12 UP)