GUNDAM SEED DESTINY MSV
ZGMF-X999A ZAKU cannon trial type

製作・文 :RUN
使用キット :SEEDコレクションシリーズ ザクウォーリア他
第8回SEEDコンペ参加作品 (DESTINY大会)

■これを作ろうと思ったきっかけ
 誰かの作品を見て「面白いな」と感じるのは、「共感できる部分」があること、「そういうの俺もやってみたかったんだよな」というありえるデザイン、などと考え、X999Aザクにバクゥのキャノンを背負わせて試作型キャノンタイプというのを作ってみました。
 このX999Aザクは頭部にプラ板をはさむという簡単な工作で機体の印象を変えることができるので、作業時間が短いSEEDコンペで使えるかなと思いました。

■工 作
 頭部は1ミリプラ板からトサカを作って、ヘルメットにノコギリでスキマを作って差し込んでいます。モノアイはHアイズ、ピンバイスで穴を掘ってHアイズの裏側にシルバーを塗ってはめ込みました。頭部は機体の印象を左右しますので作りこみました。
 腰のアーマーは基部をつないだまま切り離して、強引に前後左右に広げて動きを出しました。左右のアーマーはX999Aの設定画同様にハンドグレネードを削り落としています。

 左右の武器は、地中にアンカーを打ち込んで胴体を固定するというものです。武器にもなるというオラ設定です。ボトムズのスコープドックが両足にこういうのつけていて、地面に打ち込んでブレーキをかけるというのからヒントをもらいました。最初は「ガンキャノンの平手を使えば砲撃シーンが楽にできるな」と考えたのですが、そんなことのためにHGUCガンキャノン買うのやだし、アイディアで乗り切りたいと。手元にあった1/144ガイアガンダムの頭部左右のパーツとザクウォーリアのライフルを組み合わせています。細かいところはプラ板です。

 バックパックは、ガナーザクウォーリアの基部、ソードシルエット、バクゥのキャノンなどをポリ軸でつないでいます。途中まで一応可動するようには作ってましたが最後は全部接着しちゃいました。これは、過去の切り込み隊長や濱薫さんの作品で、「実はシンプルな接続」というところからヒントをえています。難しい接続をしなくてもシルエットを変えることができるということです。
 足の裏は頑張ってプラ板でふさいでいます。ここがなぜか時間がかかってしまった。細かい工作はこのSEEDコンペには向かないのですが、目立つのでがんばりました。
 あとは市販のディティールアップパーツなどペタペタ貼りました。

■塗 装
 溶きパテをたたき塗りしたあとに全部のパーツにシタデルカラーのケイオス・ブラックを塗り、その上から色をのせていきました。グレーはケイオス・ブラックとホワイトを混ぜて作っています。デザートイエローは当初X999Aザクの設定画のように派手なイエロー系で塗りたかったのですが塗料を忘れてしまって渋々デザートイエローに。みんな「これはこれでかっこいい、似合ってる」と言ってくれたのでよかったです。シタデルカラーで着色する時には筆目を消そうとせず、ガシガシ楽しく荒々しさを残して、「細かいところは気にしない!」という方針で塗りました。なんか男らしい塗りを目指したかったんす。
 基本塗装後、油絵の具のピーチブラックとローアンバーをペトロールで溶いたものでウォッシング。ここもわざと荒々しい感じを狙って派手目に色を残してみました。
 最後にパステルをアクリルシンナーで溶いて、ウエザリング。ちょっとやりすぎちゃった気もします。

■ベースの工作
 樹木は、鉄道模型用の針葉樹セットの幹に模型用スポンジをジューサーミキサーで細かく砕いた物をゴム系接着剤でつけました。今回はベースがちっちゃいので、ふさふさな大きな木にしたくなかったので細くて小さな木を4本立てました。こういったものは写真撮影時に臨場感をひきたててくれます。
 地面はアクリルジェッソのローアンバーを塗った直後にシーナリーパウダーなどを撒いて、それから赤玉土をすり鉢で細かくしたものを振りかけています。
 高低差を出したかったのでこういう構図にしてみたんですが、見る角度によっては、ちょっと不自然で変なポーズなのが残念です。

 ベースとザクの接続にはアンカー部分とは別にヒザにも2ミリアルミ線を通して地面とつないでいます。接着剤は使わずアルミ線で固定することが私は多いです。

 ベースは、金属板を切り出したものに自作デカールを貼りました。誰かが「RUNさん、本気だ」と言ってましたが、私はいつもSEEDコンペ全力投球です。出し惜しみはしないつもりです。やりすぎぐらいじゃないとG.P.Mの皆さんには太刀打ちできません!

 当初は、ジオラマにせず、「立ち状態」でもいいかなと思っていたのです、やはり持ち味を出したかったのでこうして見ました。ただ、作業内容が前回のグーンと似てしまったのは反省です。

 それと採点の結果私は、総合5位だったのですが、「オリジナリティ」が11位/16人と激しく減点の対象となってしまったのが悔やまれます。共感を得るために「ありえるデザイン」にしたのが、どちらかと言えば、“無難な”内容になったので、次回は何か違う引き出しからアイディアを出してみたいと決意しているところです。

 ちなみに主なプラスの評価は、
   ○HGでこれを作ったのを見たい。
   ○1日でこれを作るのはすごい。
   ○高低差があるのがよい。
 主なマイナスの内容は
   ○想定の範囲内の内容。
   ○ポーズがちょっと変
 でした。特にマイナス評価についてはごもっともと感じました。

 [RUN] (2005.06.22 UP)