AFTER SNOW

製作・文 :RUN
使用キット :ストライクダガー、ジン  Scale 1:144
 作品名:「AFTER SNOW 雪の跡・・・」
「第5回 春だ!ようこそ!SEEDコンペ!」参加作品(第2位)

【自宅にてネタを考えることから】
 このコンペは、一日(8時間)で「組立→整形→塗装」を行うのが趣旨であるが、メインキット以外はサフ(下地処理)まで準備してかまわない、ルールなので、結構準備しちゃいました。特にジオラマの場合は、配置が重要なので「ああでもない、こうでもない」とやっているうちに形になっちゃいました(汗)。

 ベースは市販のデコパージュ(渋谷の東急ハンズで500円程度で購入)。
 発泡スチロールは、積層した後、指でちぎって山の斜面のようにしました。
 メインキットのダガーは、ルールどおり接着のみ。
 ジンは瞬間接着剤で接着し、ピラニアソーを使用してポーズチェンジ。
 樹木は鉄道模型用のものを並べて“感じ”をつかんでおきました。
 ちなみにここまでの作業は3時間程度。
 イメージを考えている時間のほうが長いですね。

 2体作成するのですが、塗装の手間は1体分ぐらいにおさえたいと思い、ダガーは片腕がもげている、ジンの背中は塗る必要がないのでこの配置、構図が丁度いいと思いました。ジンはダガーのライフルを奪い、ダガーはジンのソードを奪っています。勝ったのはダガーという設定です。
 雪景色にするかどうかは大変まよったのですが、一本の木を白っぽくしたらいい感じだったので、雪景色にすることに決定。



【会場にて】
 自宅での状態から更にすすんだのは次のとおり。
 ベースにはウレタンニスを塗り、タミヤのマスキングテープでマスキング。
 ジンは改造パーツ扱い(?)で缶サフでサーフェイサーを噴きました。
 すでに自宅と配置がいろいろと違っていますね(汗)



【作業開始】
 ここから8時間で完成に持っていかなければならない。

 最初の1時間はダガーの加工整形。耐水ペーパーでどんどん合わせ目を消していきます。やはり模型的な面白みということでウェーブのディティールアップパーツやらアンテナを真鍮線におきかえたりしました。指先の表情は重要なのでソードの持ち手はハイマニに替えました。
 破壊された右腕は単にパーツを外すだけでなく、ジャンクパーツを詰め込んだりしてそれらしくしてみました。
 塗装前の下地処理として、タミヤのチューブ入りパテをラッカーシンナーで溶いて塗りつけました。いつもならパーツを洗浄してからやるのですが、細かいことは気にしない!

【地面の下地づくり】
 午前中の最後の作業、地面の下地づくり。雪景色にするといっても一応地面もつくります。透けて見える土の色にこだわりたかった。リキテックス社下地用アクリル塗料のバーントアンバージェッソを塗りつけ、赤玉土を茶漉しでふりかけました。
 なんとなく乾燥した苔も適当に配置してみました。
 この作業は20分ぐらいでしょうか。コーラの容器には水が入っています。

【キットの塗装】
 ダガーはダークイエローとオリーブドラブ。
 ジンはレッドブラウン、レドーム、ダークアースなど。
 すべてラッカー塗料を使用。
 油彩(ブラックとアンバー系)をペトロールで溶いてウォッシング、パステルによるウエザリングをしています。パステルは全体をつや消しにしてくれてよかったです。
 本当は、もっと塗り分けて、できれば迷彩とかドライブラシとかしたかったのですが時間切れ。

 ベースとキットの接着は2ミリアルミ線を使用。

【雪の表現】
 雪は石膏と重曹。予定より大雑把になってしまいました。本当はもっとふっくらと雪を表現できると思ったのですが、石膏のコントロールが難しかった。
 樹木は鉄道模型用の樹木キットを使用。芯にゴム系接着剤(コニシG17)でフォーリッジを接着し、石膏を塗りつけて熔けかけた雪を表現してみました。割り箸で塗りつけただけです。



【8時間後・・・完成!】
 というわけで、なんとか完成しました。
 いや〜、きついっすねぇ。
 でも、なんとか予定どおりの感じにはなりました。
 私は、ベースのマスキングテープ剥がす時が好きなんですよね。

【あとがき】
 ああっ〜つ!シールドさし忘れた〜っ!
 せっかくダメージ表現して塗装までしたのに〜(残念)
 雪がもう少しふっくらした感じなる予定だったのですが、だらっとした感じになってしまいました。またキットの塗りも大雑把だったかな。
 うちの妻、チコブルからは木の大きさが大きすぎるのではないか、という指摘を受けました。うむ、ちょっと大きいかも。

 今回僕が一番こだわったのは“全体の印象”です。それぞれキットの加工、地面の下地処理、キットの塗装、雪の表現と各工程があるのですが、時間で区切って納得いって無くても次の工程に進み、時間内で全体の印象として完成させたいということで、そういう点では、一定の成果をあげることができたのではないかと思います。
 今回は、制限時間8時間の中でどこまでのものができるか一つの挑戦だったのですが、この作品については結構いっぱいいっぱいでがんばったかな、と思いました。

 ちょっと汚いところもあるのですが、自分ではこの作品を気に入っています。
 (2004.04.27 RUN)


 投票の結果、第2位ということになりました。大変感謝多謝です。
 全体としては「一日でディオラマ作るのすごい」というコメントが多かったのですが、「やはり「戦闘の後なのに地面が荒れていない、地肌がむき出しになっているところや足のふんばった跡が欲しい」というコメントがそのとおりだと思いました。あと10〜15分あればできた作業だっただけに残念です。ですが、思い残しがあればまたそれも次にいかせます。
 (2004.05.01 RUN)