■どういう作品が投票者に受けたのだろうか? おおむね20位以内で特に特徴的な作品をあげさせていただきました。 (20位までは自分でメモを取っていたんで、その情報から、ということで) (1)キットのポテンシャルを引き出した作品 ○takayo4氏の「MG ZZ」(1位) ○コナ氏の「ガブスレイ」(17位) なかなか勝ちにくい方向性だと思う。だって奇抜なトリックがなく、その作品を自分のイメージするかっこよさに持っていくということになる。それが「投票者のイメージするかっこよさ」につながらなければならない。「元キットがかっこ悪ければ悪いほど」評価につながりやすい。セミスクラッチと言ってもいいほどの作業をしているのがわかる。 (2)オリジナルディティールを追加しかっこよく仕上げた作品 ○G2000珍氏の「MG ジオング」(5位) 近年のガンプラコンテストでは主流のタイプの一つと私は思っている。塗装は淡い色で単色仕上げ、細いスジ彫り、繊細なディティール、かっこいいコーションデカール、そう私は理解した。電撃ホビーマガジンのモデラー今井康博さんなどの作風。 (3)オラ度、オラ設定で、度肝を抜くかっこいいMS ○拳王氏の「ザメル試作機」(2位) ○GPM濱薫氏の「修羅の花」(6位) 実はみんなやりたいのかも。オラザク選手権っぽい。オラ度が高いというのかな。作っている時は楽しいのだが、塗装も完全オリジナルなのでセンスが問われる。プラ板工作、複製、バキュームフォーム、そういう工作ができればできるほど自分の頭のイメージを直接投影させることができる。 (4)奇抜なアイディアで楽しませる ○ポコペン氏の「癒しアッガイ」(4位) ○GPM切り込み隊長のボール軍団(12位) ポコペン氏の作品は電池で動く水流循環ポンプがアッガイの足元(水中)に入っているのがすごい。切り込み隊長の作品は、素人も笑わせる漫画、似顔絵的な発想が面白い。 アイディアが楽しい作品。だが、それを実現する工作技術も必要である。独特の雰囲気なので、一定の得票数は見込める感じがある。げるさんや私のディオラマもこの系列だと思う。 (5)塗装や仕上げで魅せる ○KZ氏のMGグフカスタム(15位) ○DOLPHIN HERAT氏のMGゴック 腕の差が出る。ガンプラにおいて重要な技術。塗装のための工作技術も当然高い。 なお、15位にはsakuziさんのウイングガンダム改が15位タイで発表されています。 (6)フルスクラッチ 私RUNとしては、SCYTHE氏のフルスクラッチのザウートがもっと上位にこなかったのが以外でたまらない。あれはよいものだった。 ■このコンテストでの傾向 一般的には、「派手な作品」が投票式のコンテストでは受けやすいが、今回のコンテストでは派手さではなく細かいところを見られていた。荒い造形、荒い塗装では上位入賞は難しい。 モデラー同士が採点しあったので、美しい塗面、細いスジ彫りなど技術的にすばらしい作品が上位に来る傾向だった。イエサブ千葉のような模型を作らない民間人が多数投票するコンテストと傾向は全く異なっていた。 千葉軍団だけで飲んでいた時に、メンバーから「コンテストによって作る作品が違うのはどうか?」という疑問の声もあがったが、「勝つことを目標」としたらそうなる。 評価する者が違えばコンテストの結果は違うのです。 ■最近のコンテストでの流行り(はやり) イラストレーターの柳瀬敬之さんの描く丹精なロボット。原型師の小松原博之さんのディティール、デカール配置、繊細なスジ彫り。どうやら今売れスジのガレージキットや人気のあるイラストレーターの作品を参考にするのがよさそうである。「MAX塗り」で勝負、という時勢ではなさそうである。 ■作品の前にいるか、動くか 今回のコンテストでは、プレゼンテーションを強化し、本人が常に自分の作品の前で自分の作品をアピールしつづければ、得票数は増えると思う。とにかく一票でも多く、というのであれば、ひたすら熱くうったえればいいと思う。じっとしていれば来訪者ほぼ全員と効率よく話ができると思う。 だけど、私もそうだが全然作品の前にいなかった人ばかり。いい作品が多数展示されていたので、ず〜と動きまくっていた。どっちがいいのだろう・・・ 今回私は写真をとりながら、遠方から「自分の作品の前でギャラリーがどのくらい足をとめてくれるかどうか」を見ていました。「滞空時間が長い作品がいい作品」と私は思っているからです。 ※本当は滞在時間だけどなぜか私の頭の中では滞空時間。 ■いつも思うことだが 上手い人はいくつ作ってもうまい!作品によって気合入れたり入れなかったりしているかもしれないが、作品から感じる雰囲気というかオーラはあまりかわらない。プロモデラーの大角基夫さんの作品や、山田卓司さんの作品、いつもいい作品作るなぁと思って僕は見ているのだけど、彼らにしてみても「気合を入れた作品、そうでない作品」があるはず、でも私から見ればいつもいい作品をつくる。いつもうまい人はツボを知ってるからだと思う。 逆にいうと、イマひとつ伸び悩んでいる場合は、何かを変えないと急に作品がよくなったりはしないのかも。「面白い作品」「かっこいい作品」のイメージがちょっと他と違っているから、気合を入れても入賞できない理由はそこにあるのかもしれない。 ■イエサブ千葉コン以外のコンテストに出品して 今回はいい勉強になった。今回出品を決意したのは、このコンテストが投票式であったためです。結果がよくても悪くても何か得られるものがあると思ったからです。上位入賞者しか発表しないようなコンテストだと得られるものがないからきらいです。 また多くのモデラーさんと交流でき、直接いろいとな交流ができたことも大きな成果でした。こういうことがあるからガンプラモデラーやめられないのかもしれない。 |