あと2〜3日が山です

 念願の母乳育児に胸を躍らせ、寝不足もなんのその。
 せっせとかわいい我が子に夜な夜なおっぱいを吸わせる、、、あーなんて幸せなの〜。
 しかし、喜びもつかの間、身体はかなり疲れていたらしい。何だが首がこっているみたい。頭も痛い。寝ているダンナを起こしてこめかみをマッサージしてもらう。痛気持ちいい、、、あー頭痛が遠のく、、、「はい。静かに寝てなさい。」
 ダンナの手が遠のく、、、痛みが近づく、激痛に変わっていく。目も開けられない、、、背中も腰も全身が痛い、、、身の置き所がない。3番目の娘は無邪気に笑って喜んでいる。おっぱいをもらってゴキゲンだ。身体も重い。太っていることに嫌気がさす。頭痛が続く。

 おかしい、こんなに痛いなんて。
 「静かに寝てれば大丈夫だよ。」 ダンナの言葉が痛みを助長する。
 “痛みで眠れないんだよ!!”と怒鳴りたいけど、そんな気力すらない、、、痛い。

 痛みをこらえて雨の降る中、日曜日もやっている医院にむかった。
 車の震動が頭を突き刺す。何をどうしたらいいのか思考もSTOPしてしまっている。

 車に乗って、20分程で医院に着く。あまりの痛みで目が開けられない。
 診察室で台の上で横になるのもひと苦労。医院は女医だ。女医は症状だけで、すぐさま大きな病院に連絡、救急車を要請した。
 「髄膜炎の疑いがある症状です。」と連絡していた。
 えーーーーっっ、入院にでもなったらおっぱいあげられない。おっぱいしか飲んでない娘のことが気になっていたが、痛みも増していた。

 救急車が向かえに来た。自力でストレッチャーに移れず、多数の手で移される。
 そこでまたしても激痛が走る。「うわーーっ!」とうめき声をあげる。

 痛みはいっこうにおさまらない。救急車にゆられ30分、診察を受ける病院に着いた。目を開けられないので様子がわからない。耳でしか情報をキャッチできない。CT撮るも脳異常なし。
 「腰椎穿刺をしましょう。」とDr(ドクター)の声。「はい。」というも背中も頭も痛くて何が何だかわからない。腰椎穿刺(ルンバール)は、腰に針を刺し髄液の圧を調べたり、髄液をとってバイ菌などを調べたりする検査のこと。まず横向きになり、エビのように丸くなって腰を突き出す。局所麻酔をして、ズブリと押されるような感じで針がささる。たいした時間はかからなかった。
 それから先が痛みとのさらなる戦いが待っていた。仰臥位での安静が指示された。そんなこと出来っこない。痛みが強くて、そうそう上向きになんて寝てられない。でもでもせいぜい1時間だけ。何とか許可もらって横向きとなった。

 柵から足をほうり出し、せまいストレッチャーの上で“まな板の鯉”だった。「う〜〜っ」うなり声と「痛い」という言葉しか出ない。
 先生がダンナに何か話している。「髄膜炎です、入院です。」

 あー何でこんなになったんだろう、、、入院だなんて。子どもたちに合えない、おっぱいあげられない、、、。一瞬頭がざわめきたった。それからは、頭痛とおっぱいで頭がいっぱいになった。病室へ運ばれるころには、頭痛はMAXに。脳みそが頭蓋骨をぶちやぶって飛び出すのではないかと思うほどの痛み。

 もう痛くて痛くて痛くて痛くて。この世の終わりかと思ってしまった。点滴され、内服薬を飲み、少しずつ痛みが治まっていった。
 夜中は頭痛から開放されていった。ずーっと痛かった、あのおそろしい痛み。二度となりたくない。

 頭痛から頭重感に変わっていく。痛くはないが何か重い物がのっている、いや頭自体が何倍もの重さに変化したようだ。
 でも痛みから解放された。よかった。

 そんなホッとした中、ダンナは先生からこんな話があったらしい。
 「脳がおかされると両手両足が全く動かなくなります・・・2〜3日が山です。」と。

 旦那は模型どころじゃない状況に・・・あ!あれ〜いつもどおりにホビージャパンを愛読しているじゃ〜あ〜りませんか〜。どんな状況でも、ホビージャパン!

 まぁいつもと変わらない日常にホッとして、生きていることに感謝できるのも、いつもと変わらない旦那のおかげかな?