常連さん

 行けつけの店。
 誰にでも気に入った店が、一軒くらいあるよね。料理の味・雰囲気・マスターの人柄、色々な理由でなんとなく行きつけてしまう。この私にもそんな店が一軒ある。まぁ夫婦での一軒である。

 店の名は「K,z」。なんといっても、お料理がおいしいのに安い。お客の声を一生懸命反映しようとしている。私がこの店をはじめて行ったのは、ダンナと付き合う前、いわゆる恋人前の状態のときに連れて行ってもらった。その時は、少し緊張していたかな。店はまだ12席のカウンターしかない場所にあって、マスターの腕がよく見える店構えだった。
 ワインを飲んでちょっとはにかみながら、ダンナとお食事。私にもはにかむ頃があったのかぁ・・・。ダンナはその頃「いいなぁと思った娘は、この店に連れてくるんだけど、同じ女の人は連れてきたことないなぁ。」
 「さて私は、2回目もあるのかなぁ」・・・懐かしい・・・あの頃を思い出すわ。まだ2人が初々しいころの話。なんやかんや言ってもなんとなくつきあっちゃて、私にも2回目のK,zがやってきた。
 私はダンナが「K,z行こうか!」という言葉にすごくうれしかったのを覚えている。それから頻繁に行くようになり、いつしかデートはK,z。そんな感じになっていた。「あーやった!!私はK,zに何回も行っちゃている。今までの女の人とは、ちがうんだぁー!!」なんて密かに喜んでいた。喜び・・というより幸せを感じていた。
 おいしい店や気にいった所があると、ベラベラ爆裂トークの私だけど、だれにも邪魔されたくない思いがあって、ないしょ。だってー2人の隠れ家だもーんとか言っちゃて。そうしたらK,z存続の危機ぽい風・・・。こりゃいかん、隠れ家が本当に隠れてしまう。ひぇ〜!しゃべれー、しゃべまくれー。今ではよーくみんなに宣伝中。
 さぁこれから私達はどうしよう?なんて別にただの客なのに、アホなこと考えちゃって。そうだ!名前を覚えてもらおう!! 必ず予約、名前はしっかり言って。結婚前からダンナの命令で友人を連れて行くときも必ずダンナの名前で予約。プロポーズまだだったのに・・・。まぁそのかいあって、名前も覚えてもらえて、にんまり。もうかれこれ、100回近く行ってるかな?
 ほんと、飽きのこないおいしさ!毎月新しいメニューが登場する。だから、月が替わると、うづくのよねぇ〜。
 結婚して2年目、子供も産まれて夫婦しちゃってるけど、今だにダンナに「K,zに行こう」といわれると幸せを感じてしまって、喧嘩してもK,zへ行くと仲直りしちゃってる。行きつけっていいねぇ〜。たぶんずーと通っちゃうなァ。人生が潤う一軒もっていると幸せだよね。


※「ブラッスリーK,z」は、令和3年5月13日現在、休業中です。