JUPITRIS PROTOTYPE GENERAL PURPOSE HEAVY MOBILE SUIT
PMX-001 PALACE-ATHENE

製作・文 :ZIGGY
使用キット :1/144 HGUC パラスアテネ
ホビージャパン主催 第10回オラザク選手権出品

 「理想のために戦う、気高い女戦士」と「拠り所を求め彷徨う、情念の女」という相反する性質が混在していたレコア。そんな彼女の複雑な内面を具現化したような、“憂いの中に、凛とした妖艶さを漂わすMS”を目指して。イメージしたのは“アテナ神+花魁”です。

 ただ、もともとのデザインが“超トンデモ系MS”丸出しなので、メカフレーム露出などで「機械っぽさ」方向への振り戻しも心がけて。
 特徴的なスネの黄ラインは「多層構造の試験型センサー」という設定。
 ランダムに重なり合い・明滅する板状センサーがゲル状の電導体の中で蠢く、そんな雰囲気。

 “アテナ神”という言葉は“男にとって都合のいい女”という暗喩的な意味も持っているそうです。レコアがそれを知ってパラスに搭乗していたかは判りませんが、何とも哀しい符合ですね。

 →もっと大きな画像を見てみる(全身その1)
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 モデルランナーにZIGGYさんのパラスアテネ登場。第10回オラザク選手権に出品され、高得点をマークした作品です。
 関東にZIGGYさんがやってくるということで千葉軍団の飲み会に参加してもらいました。さらに、飲み会後に、我が家にやってきてもらい、いつも私の撮影している環境で撮影させていただきました。その晩は我が家に泊まってもらったのでゆっくりお話させていただきました。
 さて、パラスアテネですが、まず、その情報量に目が奪われました。情報のある場所とない場所、集合と拡散、そのバランスが小気味よい。背中のバインダーのフチにまでディティールが入っている。細かい塗りわけはエナメル塗料で行っているそうです。スネのコンピュータの電子基盤がそのまま表に出ているような表現も面白い。縮小した画像だとわかりにくいので、拡大画像も用意してみました。
 この作品は、関西のコジマ塾に製作途中で持ち込んだりしていて、その時に他のモデラーさんの道具を借りたり、ディティールアップパーツをもらって付けたりしているところもあります。そういう意味では、ZIGGYさんが楽しんで作った作品のように私は受けとめました。
 人に「よい」と言ってもらえる模型づくりの方法の一つとして、その作品が「目を奪われる作品かどうか」という点はあるかと思います。そういう意味でも、この作品は非常に目を奪われました。
 千葉軍団のメンバーにも非常に刺激になった一夜となりました。

 きちんとした撮影環境で撮影した作品としては、モデルランナー2番目のZIGGY作品となりました。1番目は「1/144 高機動型ザクU黒い三連星」。

 モデルランナーの【HGUC Zガンダム祭り】コーナーも充実してきました。
 今まで展示してきた作品も見てみてくださいね。

 [RUN] (2008.05.03 UP)