TITANS PROTOTYPE MOBILE SUIT
RX-121-1 GUNDAM TR-1 [HAZEL CUSTOM]

製作・文 :ダイモン
使用キット :1/144 RX121-1ガンダムTR−1ヘイズル改
BANDAI HOBBTY PRO-SHOP 第1回マイスターコンテスト HGUC部門最優秀賞
第16回イエローサブマリン千葉店ガンプラ小型部門参考出品(2008.2月)

 初めて誌面で見たときカッコよすぎて一目ぼれしてしまったモビルスーツです。HGUC化の報を聞いてオシッコちびりながら喜びましたね。

 その大好きなモビルスーツでバンダイ主催の第1回マイスターコンテストHGUC部門で最優秀賞をいただきました! 静岡ホビーショーにも展示され、川口名人からもありがたいコメントをいただいたので自分の中では一番思い出に残っている作品です。
 イエサブにトロフィーと賞状が飾ってあるのでヒマな方は見てやってください〜!

 このキットはプロポーションが素晴らしく、当時HGUC史上最高の出来とまで言われてました。(バンダイ山岸さんがホビー誌で語るほど)僕がプロポーションをいじると変になるのでスタイルを生かし、ひたすらディティールを追加する方向で製作しました。
 どこから眺められても模型的な隙が無いように製作したつもりです。間接を隠したりアーマーの裏にディティール追加したりなど。

■製作編
○頭部
 定番のアンテナシャープ化に後頭部スジ彫り&Uバーニア埋め込み。バルカン砲を0.8ミリの真鍮パイプに置き換えました。トサカ状のカメラにある黄色いパイプは塗りわけするのに困難なため、削り落とし自作のパイプに置き換えました。カメラも塗りわけが難しいので透明プラバンを切り出してクリアーグリーンに塗装し、ラピーテープを貼ったものを貼りこみました。
○胴体
 首周りをジャンクパーツなどで埋めました。胸部も穴を開けてよく改造してある連邦系モビルスーツのプラモディティールを真似しました。カメラもプラ板積層を削りだして自作したものを埋めました。
 腰アーマーを裏打ちしてディティールアップし、股下には黄色いパイプを仕込みました。お尻のアーマーも裏打ちしてディティールアップ。6個の小さなバーニアもも削り落としてUバーニアに置き換えました。
○両腕
 肩アーマーは合わせ目を消したあと4パーツに分割、隙間を作ることにより立体的に見せ、情報量を増やすことに成功したと思います。肩上部にはヘイズルトライブースターのバックパックにあるような黄色いパイプを自分なりの解釈で追加しました。手首のポリキャップは丸見えなのでコトブキヤの角バーニアとUバーニアに穴を開けたものを仕込んで隠しています。パッケージの絵では肩に赤い線のようなディティールがあったのですがプラモでそこは再現されていないので0.3ミリのプラ棒を半分に切ったものを赤で塗装して貼り込んでいます。肘関節にも同様のディティールを追加しています。
○両足
 太ももに赤いプラ棒を追加しディティールアップ、膝両側のダクトにも同じものを貼り込んでいます。
写真では見えませんが足の裏も塗りわけし、バーニアをコトブキヤのものに置き換えています。
○バックパック
 スジ彫り、バーニア内にブラスパイプを追加など。シールドブースターを取り付けるポリキャップにはプラバンを被せ模型的な隙をなくしたつもりです。バックパック上部のカメラもプラ板の積層から削りだしたものを埋め込みました。
肩、股間同様に黄色いパイプを埋め込みました。
○武器、シールド
 そのまんまストレート組みです。ビームライフルのカメラのみ透明プラバンです。

■塗装編
 ヤスリは600番で終了。
 僕の中で定番となりつつある空気遠近法(パステル調)を施しました。サフは吹かず、ベースに明灰白色をベタ塗り。
 次に明灰白色にホワイトを追加して明度をあげた色を圧力弱めで角を残すように吹き、最後はホワイトをディティールやモールドを避けるように面の中心に吹きハイライトを効かせました。
 ザクUを作ったときに失敗した塗装法ですが今回は大成功しました。
 オレンジイエローや胴体色も同じ方法で塗装。オレンジイエローは納得いくまで何度も吹き重ねてしまったため明度が落ち、他の色との調和が取れなくなってしまったことが悔やまれます。川口名人にも指摘された箇所です。

■仕上げ編
 デカールの貼り方にかなり気を配りました。発売されているデカールはとても文字が大きく1/144向けではないのでなるべく字の細かいデカールを選択し、スケール感を損なわないように注意しました。

 もう1つ気を配った点ですがモデルグラフィックスの記事で粗密の関係?というのが載っていて、絵を書くときの1つの画法らしいのですがそれを参考にデカールを貼りました。
 情報量の高い場所と情報量の低い場所の区別をつけるというものらしく、面を埋めるように万遍無くデカールを貼るのが通常ですがあえて面の広い部分はそのまま残し、そのかわりディティールが詰まっている部分にデカールを集中して貼ります。
そうすることで情報量に差が出来、全体を見たときにメリハリがついて見栄えがよくなるらしいです。
 全体を見ながら調整して貼るのが難しかったですが大方成功したと思います。

 最後にクレオスのつや消しを吹いて終了です。

■製作を終えて
 とにかく賞をいただいたことがとてもうれしかったです。
 これに満足することなく新たな挑戦をしていきたいと意識が高まった作品になりました。


 第1回マイスターコンテスト最優秀賞受賞作品!
 http://bandai-hobby.net/proshoplist/mcon1/hg.html
 バンダイホビーサイトでも展示されています。
 ディティールの追加と塗装により144スケールであることを感じさせません(って川口名人と同じコメントじゃん)
 144スケールでここまで塗りわけがあるキットの場合は、塗装が大変だったと思います。
 なお、バンダイホビーサイトでは、製作者が「渡辺、大門」とありますが、作ったのは大門さんです。渡辺さんは当時のイエサブの店長さんでした。
 [RUN] (2009.04.11 UP)