GENERATION-UNSUBDUED UNCLEAR-DRIVE/ASSAULT MODULE COMPLEX
ZGMF-X13A PROVIDENCE GUNDAM

製作・文 :RUN
使用キット :1/144 HG プロビデンスガンダム
第9回イエローサブマリン千葉店ホビーコンテスト ガンプラ小型部門大賞

 千葉軍団ガンダムSEEDプロジェクトの機体として私が割り振られたジャスティスガンダムは無事完成しました。しかし、結局プロビデンスガンダムの製作者は決まりません。私はジャスティスガンダムのベースを当初もう少し大きいものにして相手役としてジンでも1〜2体置こうかな、などと思いジンを作っていましたが・・・「ジンつくってる場合か〜、そんな暇があるんなら俺がやれ〜!」との心の声が消えず、機体割り振り担当のKZとカプリチョに了解をとってスタート。それはすでに7月に入っていた。
 勝算はあった。このHGプロビデンスというキットは、成形色で塗わけがほぼ完璧、マスキングには時間はとられない。1日で模型を完成させるG.P.Mの「SEEDコンペ」であれだけの作品群ができるんだ。HGだってやれるはずだ・・・、と腹をくくった。今まではだいたい1個つくるのに3月間ぐらいのゆっくりペースだが、今回はスピード勝負!

【製作コンセプト】
 短い時間で製作できて、かつラウル・クルーゼが最終話で見せた鬼気とした力強さを演出するにはどうしたらいいか考えました。時間がなくてもかっこよく見える技法はないか、と・・・

(1)表面処理は溶きパテたたき塗り
 溶きパテたたき塗りってなんか男らしくないですか?(笑) そこから、さらにグラデーション→ウォッシング→ドライブラシ。ドライブラシはやりすぎるぐらいに白くなるイメージ。

(2)ベースはメカニカルベースでジャスティスや他の機体とサイズを合わせる。
 飛んでなくても、ベースのサイズはそろえたほうがかっこいい。でも、実はドラグーンユニットもあるため、これが全機体の中で一番高さがありました。

(3)ガムテープの芯を斜めに切ってベースを斜めにセット。
 プロビデンスが「グワッ!」と迫ってくる感じと「宇宙空間っぽさ」を演出。前傾姿勢をとって飾られている状態を見てみたかった。

【キット製作について】
○頭部
 各部のまったりしたトゲトゲをシャープに削り込み。
 強度も必要だと思うのでV字アンテナは先端を斜めにカットしたのみ。おでこが別パーツ化されているのでアトハメ加工はせず目や赤いくまどり部分は筆塗りで塗りわけ。エリの黄色いパーツのピンを落としてアトハメ化。

○胸部
 肩をウェーブの「BJ−05」で前後上下に可動可能にしました。軸の径が3ミリなのでプロビデンスの肩にぴったりはまります。凹のポリパーツを胴体に埋め込むのは私はゼリー状瞬間接着剤でやりました。肩が動かないといいポーズがとれません。
 

○足・肩:下図のようにC型アトハメ加工。デザインナイフで丁寧にやります。右写真はスネで塗装前のものです。単色や成形色をいかすなら不要な工作ですが今回はエッジにドライブラシをかけるためにやりました。
 

○その他
 いつものように全パーツの墨入れが入る部分は深くデザインナイフで彫りこんでいます。溶きパテをたたき塗ってもやった効果はあります。
 グラグーンシステムやファンネルみたいなパーツは数が多く、手間取りましたが一つずつビーム砲をピンバイスで開口したり表面処理したり丁寧に加工しています。
 成形しにくいパーツがあったり、細かいパーツをなくしたりしましたが、流用パーツなどで切り抜けました。

【塗 装】
 このページではプロビデンスガンダムの塗装のみについて書いておきます。

(1)溶きパテたたき塗り
 昔ながらのチューブ入りのタミヤのパテをラッカーシンナーで溶いて、そこに少しラッカーのスーパーブラック(GSIクレオス)を混ぜて「ダダダダッ!」とひたすらたたきまくる。ただ顔はやりすぎるとモールドがつぶれるので控えめにしました。

(2)グラデーション塗装
 ガンダムカラーグレー20、ブルー10、ブルー22は、プロビデンスセットのものです。
○本体ライトグレー部
 ニュートラルグレー+パープル(少し)>ガンダムカラーグレー20>グレー20+ホワイト
○本体レッド部
 適当に混色してあったレッド、調合比不明
○本体ブルー部
 ガンダムカラーブルー10>ガンダムカラーブルー10+ホワイト
○本体イエロー部
 オレンジ>イエロー+ホワイト
○武器、間接等ダークグレー部
 ガンダムカラーブルー22>ガンダムカラーブルー22+ホワイト

(3)ウォッシング
 タミヤエナメルのフラットブラックをエナメルシンナーで溶いてウォッシング。これが実は大変なことが起こりまして、ドラグーンシステムのパーツが3つくらい割れて参りました。腰などの目立たないところにそれは配置しておきました。スライド金型成形が使われており感動を覚えるパーツ割なのですが、パーツの厚みがなかったんですね・・・
 ウォッシング後、GSIクレオスのスーパークリアーつや消し(スプレー)で軽くコート。

(4)ドライブラシ
 タミヤエナメルを使用。ダークシーグレーからスタートし、少しずつダークシーグレーにホワイトを混色していき、最後にはホワイトのみでドライブラシしています。最後のホワイトのドライブラシ時にはかなりエッジに強くやっています。ただ今回は、「ドライブラシでやりすぎるぐらいに白くなる」がイメージでしたので、念入りにドライブラシします。溶きパテが効いて面白いほどドライブラシがかかりました。
 ドライブラシ後、GSIクレオスのスーパークリアーつや消し(スプレー)でしっかりコート。

 額の赤いパーツはウォッシングでパーツが崩れて泣きそうになりましたが、タミヤのチューブ入り溶きパテを面相筆で盛って形を復活させるという荒業で乗り切りました。わからないでしょ〜?わからないようにリカバーできていたら成功(?)

 では引き続きましてジオラマ解説です。
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