タオル

 一日はあっという間に過ぎていく。何かしても何もしなくても、、、。
 主婦の仕事は24時間、しかも何も変化なく日々過ぎていってしまう。

 3人目の子どもの育児休業に突入した私は看護職いわゆる外での仕事からは解放されたが、主婦業に追われる平凡な日々が待っていた。来る日も来る日も掃除、洗濯、食事の仕度に子どもたちの世話プラスおっぱい・おっぱい・おっぱい。
 あーとため息が出る時もあるが、それがまた幸せだったりして。

 しかーし、私よりもHAPPYな奴がいた。
 相変わらずダンナさん。3人娘の父親となったが、生活ペースは変わらない。趣味、仕事、ちょっぴり子育ての毎日。
 彼の変化のない毎日は彼にとって何よりも変えがたい幸せらしい。

 頭の中もとってもHAPPYでHOTだ。彼は自分の興味のないものに対しては右から左へと情報が流れ、捨ててしまう。、、、のため、私の話なんて聞いちゃいない。
 このクソ親父!!と叫びたくなることも多々。
 パソコン中、TV中、、、話しかけても返事がない。いつものことだ。
 まあまあいいや、とあきらめる。

 そんな中、趣味のひとつ、パソコンいじりしている彼の首に何やら怪しげなものがかかっている。
 うーー?なんか見覚えがあるなぁ、とよく見てから声をかけてみた。
 めずらしく振り返った。
 「なに、首にかけてるの?」と聞くと、さらっとさわやかに「タオルだよ」と答えた。いや違う。あれはタオルではない。もう一度聞いてみた。
 「ねえねえ、それ本当にタオル?」
 彼はタオルと称するものを手にしながら、「タオルだよ(怒)」と強い口調で振り向きざま言った。
 「あーははははー(笑)」強気で言ったタオルは、なんと3番目の娘のベビー服じゃあーりませんか!
 しかもそのベビー服の下には正真正銘の白いタオルが、、、。
 おいおい、自分でタオルを首にかけたことすら興味がなくなっちゃったのかねぇ、、、

 これから先もこんな調子かしら。  ちと不安。