ハリーポッターどころでは

 出産後、久しぶりに映画を見た。やはり幼い子を持つ母親としては、日中に出かけたい。夜はゆっくりお風呂に入れて、寝かしつけたいという希望があって。
 見たい映画はこれといってなかったが、世間一般に話題の「ハリーポッターと賢者の石」を見ることにした。まぁ子育てしていて社会の波に乗り遅れるのもちと不安だったし。

 その日中でかけるとなるとやっているのが「吹き替え版」。なんかテレビとかわんないじゃない、と思いつつ、「字幕版」はあきらめ、「吹き替え版」をChoice。子どもはババに預け、夫と久しぶりにデート。

 13:40開始。20分前に着席。まぁ、やっぱり「吹き替え版」子どもや年配者が多い。うしろから4〜5列目にすわり、はじまるまでケータイで遊びながら・・・・・  ふと左耳のうしろから何やら“あらすじ”らしき内容が聞こえてきた。
 「ハリーポッターという男の子がね、パパとママを亡くしてね・・・・・
  ・・・・延々しゃべっている。どうやら相手は小さい子ども。
 まったく、映画館で内容話すなよぉ・・・・。原作本も読んでいない私はムカついてしまった。ベラベラしゃべり続けて、振り向いて一言いってやろうと思った瞬間、父親らしき人が、
 「そんなに話してほしくないよなぁ、」と子どもに言うと、母親が
 「だって、この子話とかないと見てもわからないもの、きっと、」
 子どもは「・・・・。」

 あーもう、そういうのは家で予習してきてよー!連れてくんなーー。
 テレビで十分、テレビで。なんて小言ババァのようになってしまっていた。

 はじまりのチャイム。
 あーやっと始まった。ホッと一息・・・・・したのもつかの間、
 ナナメ前の子どもが今度はしゃべりだした。
 はじまるっつーにー(怒)

 ベラベラ話はじめたら、ボリュームもUP、ペットボトルをカタカタ鳴らして、“あーうるさい”。 となりに座っていたダンナが注意してくれたが、一時静かになるも再び声が・・・。なんて最悪な日だ。2度目の注意をしてようやく静まった。あーよかった、よかった。
 ・・・あれ、変な匂い? しゃべらなくなったと思ったら、ニンニクの匂い。“ハートチップル”らしきものをガサガサゴソゴソ食べている。うわぁ〜なんじゃコリャー。

 子どもばっかりだから、しょうがねーなー、と半バあきらめて座りなおした。
 ハリーポッターも中盤まできて、“ほんと子ども向けな内容”、こんなものかぁ、なんて、ようやく映画に集中できてきた。・・・ら、ダンナとの座席の隙間から、『プ〜ン』と臭ってきた。何か汗臭く、くさった臭い。くっ、くさい!!
 どうやら、うしろの内容しゃべっていた家族の父親の足の臭いだ。
 おいおい、かんべんしてくれよー。

 いやぁ、なんちゅうハリーポッターだがねー。魔物より恐ろしい人達だわ。映画の内容より周りに気をとられた最悪なデートでした。